【競歩男子20キロ】池田向希が銀メダル 山西利和も銅 競歩でダブルメダルは日本初
◆東京五輪 陸上男子20キロ競歩(5日・札幌大通公園)
男子20キロ競歩で、池田向希(旭化成)が銀メダルを獲得した。山西利和(愛知製鋼)も銅メダルで続いた。五輪の競歩で日本勢2人が同時に表彰台に立つのは男女通じて初の快挙となった。日本のメダル総数はリオ五輪の41個を抜いて、一気に五輪1大会で過去最多の43個となった。
札幌の大通公園を発着点とする周回コースで実施された。
京大出身の山西。美しい歩型を武器に、愛知製鋼で力を伸ばして19年ドーハ世界陸上では日本勢初優勝。男子50キロの鈴木雄介(富士通)と合わせ、2種目制覇の快挙を飾った。今大会に向けてもメダル獲得を公言。北海道・千歳市で行った直前合宿でも「気負わずに、思い切っていければ。金メダルを取りにいきたい」と宣言していた。暑熱下の今レースに向けても順調に調整を進め、見事に銅メダルを獲得した。
午後4時30分のスタート時の気温は31度、湿度63パーセント。札幌はこの日も最高気温33度を記録し、16日連続で真夏日となり、記録的な猛暑となっていた。
◆池田 向希(いけだ・こうき)1998年5月3日、浜松市生まれ。浜松日体高で競歩を始め、3年時の全国高校総体5位。東洋大では入学当初マネジャーを兼務していた。18年5月の世界競歩チーム選手権金メダルで頭角を現し、19年ユニバーシアード優勝。今年3月の全日本20キロ能美大会優勝で東京五輪代表に内定した。人気モデルの「みちょぱ」こと、池田美優は父方のはとこ。168センチ、53キロ。
◆山西利和(やまにし・としかず)
▼生まれとサイズ 1996年2月15日、京都・長岡京市。164センチ、54キロ。
▼競技歴 中学1年生から陸上を始め、京都・堀川高1年から競歩を始める。3年時の13年世界ユース選手権1万メートル競歩金メダル。京大へ進み、17年ユニバーシアード20キロ優勝。18年愛知製鋼入社。18年ジャカルタ・アジア大会銀メダル。
▼理系男子 現役合格した京大工学部では制御工学を専攻。卒論のテーマは「部分空間同定法を用いた信号の周波数推定」。
▼めがね リオ五輪銅の荒井と同じく、めがね姿で歩く。3月の全日本能美大会では「ずれませんよ。僕くらいになると、めがねが本体なので」と、人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」を意識したような解説も。
▼勤務 愛知製鋼では平日午後2時頃まで。「プロに近い形」で競技に打ち込めている。
▼趣味 読書。アガサ・クリスティ、東野圭吾ら幅広く。
▼好物 魚や和食。
報知新聞社