五輪会場「負の遺産化」懸念 5施設が赤字見通し 東京都


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五輪会場「負の遺産化」懸念 5施設が赤字見通し 東京都
五輪会場「負の遺産化」懸念 5施設が赤字見通し 東京都
先に閉幕した東京五輪・パラリンピックで、東京都は約1400億円を掛けて新たに六つの恒久競技施設を整備した。

このうち今後黒字運営が見通せるのは1施設のみ。新型コロナウイルスの影響で来場者が想定を下回る可能性もあり、「利用が低迷すれば負のレガシー(遺産)になる」との懸念も出ている。

「素晴らしい成果を挙げた東京大会のレガシーを生かし、ハードとソフトの両面で豊かな街づくりを進めたい」。小池百合子知事は8日、満足げに記者団に語った。しかし、競技会場の採算面では課題が山積する。

最多の567億円が投じられ、競泳などが行われた「東京アクアティクスセンター」(江東区)。再整備した上で2023年春に改めてオープンを予定する。世界最高水準という三つのプールやトレーニング室を有しており、選手の育成拠点にする計画だ。年100大会を誘致し、年間来場者100万人を目指す。

運営はすでに民間に委託されているが、試算では、今後の年間収支は6億4000万円の赤字。他の4施設と合わせると、年間の赤字幅は11億円程度に達する。都はネーミングライツ(命名権)導入や稼働率の向上などで収益性を上げたい考えだが、大会開催の1年延期などもあり、具体策は示せていない。

【日時】2021年09月09日 07:12
【ソース】時事通信