BPO、日テレ「スッキリ」アイヌ民族差別発言に放送倫理違反

BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会は21日、審議していた日本テレビ「スッキリ」に関して、放送倫理違反があったとする委員会決定を発表した。

 3月12日に放送した「スッキリ」のコーナー「週末オススメHuluッス」で、アイヌ民族の女性を描いたドキュメンタリー作品を紹介した際、出演タレントが「この作品とかけまして動物を見つけた時ととく。その心は。あ、犬」という謎かけのコメントをしたことについて、委員会は、差別的な表現であり放送倫理違反の疑いがあるとして、該放送局に報告書と同録DVDを求め協議し、差別的な表現であり放送倫理違反の疑いがあるとして、4月の委員会で審議入りを決め、議論を重ねてきた。

 審議の結果、本件放送はアイヌ民族に対する明らかな差別表現を含んだもので、オンエアに至った背景には、収録動画の最終チェック体制が極めて甘く、アイヌ民族やその差別問題に関する基本的知識がスタッフ間で決定的に不足していた点があったことを指摘し、日本民間放送連盟の「放送基準」の「(5)人種・性別・職業・境遇・信条などによって取り扱いを差別しない」「(10)人種・民族・国民に関することを取り扱う時は、その感情を尊重しなければならない」などに反しているとして、放送倫理違反があったと判断した。

報知新聞社