6/17(木) 17:32配信
FRIDAY
低視聴率報道に苦言を呈した松本人志。大御所のひと言が、視聴率報道にどう影響を与えるのか
《これぞ勉強不足のバカライター》
ダウンタウンの松本人志がお怒りモードだ。
事の発端は6月12日に民放で20年ぶりにコント番組を放送した『キングオブコントの会』(TBS系)の視聴率が6.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と報じられたことだ。これは、いわゆる「世帯視聴率」で、長年親しまれてきた数字ではあるが、業界内ではいまはもう「時代遅れ」のものになっているというのだ。
《キングオブコントの会は内容的にも視聴率的にも大成功でした。ネットニュースっていつまで“世帯”視聴率を記事にするんだろう? その指標あんま関係ないねんけど》
《コア視聴率が良かったんです。コア視聴率はスポンサー的にも局的にも世帯視聴率より今や重要な指標なんです。そのコア視聴率が3時間横並びでトップやんたんです。だから。低視聴率みたいなミスリードは番組を観てくれた皆さん。後輩達に申し訳ない気がします。》
と松本はツイッター上で言及した。
さらに千鳥の冠番組で2度目の全国放送となった8日の『千鳥の相席食堂ゴールデンSP』(テレビ朝日系)の世帯平均視聴率が5・8%で「低調だった」というニュアンスで報じたスポーツ紙に対し、松本はついに耐えられなくなったようだ。
《これぞ勉強不足のバカライター。コア視聴率はしっかりとってる。じゃないと第二弾あるわけない》
初回のゴールデンスペシャルは6.9%ということが報じられると千鳥のノブが「おいおい!恥ずかしい!!恥ずかしい!笑 お金出すから消せんか!?」と焦るツイートをして話題になった。
松本がいうコア視聴率というのは「男女13~49歳」に絞ったコアターゲットのことで、たしかに業界内では、いまはこちらが重視されている。一方で、スポーツ紙などの報道では、全年齢をターゲットにした世帯視聴率で報じられることが多いという。
「CMのスポンサーとしては購買層であるコアターゲットを重視しているので、世帯視聴率はあまり気にしない傾向にあります。しかし長年の慣例から世帯視聴率で報道されることが多い。コア視聴率というのはテレビ局の外部にはデータが出づらく、まだ一般の人には馴染みがない、というのが実情ではあるでしょう」(テレビ局関係者)
一方で、一部ネット記事では「キングオブコントの会」は全国視聴者数が2500万人を突破したと報じられた。
2500万人以上となると人口の20%を超える。推計とは書かれているが、世帯視聴率が6.8%だったことを考えると、計測方法の違いでここまで大きく乖離するのであれば何を信用すればいいのか、その判断も難しくはなってくる。
また、今後の「視聴率をめぐる報道」にも変化がある可能性もあるという。
「スポーツ紙はうかつに“低視聴率”とは書きにくくなったでしょう。天下の松本人志さんがこれだけお怒りモードということは、吉本興業からしてもそうした報道には過敏になるでしょう。今後は、“高いか低いか”は置いといて“視聴率は何%だった”という事実のみを書くスタイルが増えそうな気がします。松本さんに“バカライター”と批判されることを思えば、萎縮して書きづらい…という気持ちもあるでしょうね」(芸能ジャーナリスト)
記者も常に最新動向を読み取り、もっと勉強せよ…という松本なりの怒りと変革への期待を込めてのひと言だったのだろう。とはいえ、アマゾンプライムやネットフリックスなどのサブスク配信や、YouTube、配信ライブアプリなど様々なコンテンツが溢れる現代。視聴率の計測方法の議論より、いかにしてテレビの魅力をもっともっと上げていくか、が重要になってくるかもしれない――。
(出典 amd-pctr.c.yimg.jp)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b906dbf35497568858c204542f019eb215e5d9ac
ミスリード
【テレビ】長瀬智也主演『俺の家の話』桐谷健太の無駄遣いは壮大なミスリードだった
(出典 img.jisin.jp) |
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考えてみれば、初回から違和感はあった。
TOKIO・長瀬智也主演、宮藤官九郎(クドカン)脚本の介護がテーマのホームドラマ『俺の家の話』(TBS系)に出演する桐谷健太。彼の役どころに対して、“桐谷健太の無駄遣い” のように感じていたからだ。
主人公の観山寿一(長瀬智也)は、人間国宝の能楽師である父・観山寿三郎(西田敏行)の介護のため、プロレスラーを引退して父の跡を継ぐ決意をする。しかし裏では覆面レスラーとして隠れてプロレス業も続けていた。
一方、観山寿限無(桐谷健太)は幼い頃から寿三郎の弟子として育ち、2歳年上の寿一とは幼馴染として仲よく育った芸養子。だが、前回(第4話/2月12日放送)、実は寿三郎が愛人に産ませた隠し子だったことが発覚。つまり寿限無から見て寿一は腹違いの兄だったのである。
ここで話を少し遡らせて、隠し子だと発覚する前の第1話~4話までの寿限無のキャラクターを説明しておこう。
寿限無は気さくで明るく、それでいて思慮深い大人の男で、観山流を献身的に裏から支えていた。ひと言で言うと、品行方正を絵に描いたような人物だったのだ。
けれど、エンターテインメント作品のなかのキャラクターという視点で考えると、毒にも薬にもならない “ただの人格者” のようにも見えていた。
桐谷は『タイガー&ドラゴン』(2005年/TBS系)、『吾輩は主婦である』(2006年/TBS系)、『流星の絆』(2008年/TBS系)、『いだてん~東京オリムピック噺~』(2019年、NHK)といったクドカン作品の常連。芸達者で硬軟どちらも演じられるが、特にコメディセンスは一級品である。
そんな桐谷を “ただの人格者” に配役していたため、なんでこんなもったいない役を演じさせるのか? と疑問だったのだ。
■桐谷健太、180度変わってオモシロ痛キャラに?
しかし、今回(第5話/2月19日放送)、無駄遣いだという感想はクドカンにミスリードされていただけであり、前回までの桐谷の演技が壮大な “前振り” だったことがわかった。
寿限無は第5話から180度キャラ変したのだ。
まず、ポンと肩を叩く寿一を「触んなよ」とツンケンした態度であしらう。
次にヤンキーチックな行儀の悪い座り方で朝飯をかっ食らう。くしくも高校生の甥っ子も反抗期を迎えていたため、10代の若者とシンクロ。
そして極めつけは、自室にこもってデスメタルを爆音で聴きながら、昔懐かしのヤンキーゲーム「熱血硬派くにおくん」をやりこむ始末。
そう、やさぐれて、遅めの反抗期にわかりやすく突入したのである。
その後、寿一との兄弟ゲンカが勃発し、プロレスのリング上で手出しをしない寿一をボコボコにした寿限無。「決めた。俺が継ぐ、28世。もう一歩も引かない。じゅいっちゃん、親父の跡を継ぎたいなら、プロレスじゃなくて能で俺に勝ってみろよ!」と宣言するという展開。
まだ隠し子問題が解決していないため、シリアスなシーンとなっていたが、今後は “遅咲きヤンキーキャラ” として、ギャグパートを担ってくれそうな気配がビンビンなのである。
おそらく第4話までの寿限無は、物語後半でギャップを爆発させるための布石だったのだ。ここから徐々にオモシロ痛キャラとして仕上がっていくのではないか。
筆者は本作の第1話終了時点で、《長瀬智也『俺の家の話』第1話が「面白くなかった」と思った人に聞いてほしい話》というコラムを書いている。
その際に、《クドカン作品においての1話で披露される初期設定は、そのイメージを裏切るためにあるようなもの。序盤の印象を逆手に取り、そのギャップで軽妙な掛け合いに惹きつけさせるための“前振り”にすぎない》と語ったのだが、そんな筆者も寿限無のここまでのキャラ変は予想外だった。
まんまとクドカントラップに引っかかり、掌の上で転がされたという感じ。この衝撃の展開にはいい意味で裏切られた。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中