【陰謀論を輸入】700人がデモ行進 「コロナは茶番、本当はただの風邪」 「PCR検査は偽装」 「ワクチンは人を操るために作られた」


1 影のたけし軍団 ★ :2021/09/09(木) 08:55:10.93

科学的根拠のない情報が、人々の負の感情をあおり、社会に断絶を生んでいる。
ネット空間の虚実を考えるシリーズの第4部は、コロナ禍で起きた現象の深部に迫り、教訓を探る。


4度目の緊急事態宣言が東京に発令され、まだ間もない7月の週末。JR新宿駅前に、その一団が現れると雰囲気が一変した。
集まったのは男女700人以上。「新型コロナは国際茶番」などと書かれたボードや横断幕を掲げ、目抜き通りでデモ行進を始めた。


マスクをした人は誰も見当たらない。

「ワクチンによる人体実験をやめろ」。叫び声が何度も街に響く。驚いた様子の通行人に「いつまでだまされているんだ」と言葉を浴びせる参加者もいた。
同じ日、名古屋や京都でも数百人規模のデモが行われていた。各地で連呼される内容は、欧米を中心に広がる陰謀論だ。

こうした言説を「輸入」しては日本語にし、SNS上で拡散するグループが多数あり、連携してデモを行っているという。

「こんなに大勢の人が集まっている。やはり正しい情報なんだと確信した」
3歳の長男を連れ、東京のデモに参加した女性(31)が語った。

昨年は感染におびえ、「ママ友」と公園に行くのも自粛していた。考えが変わるきっかけは、友人に招待されたフェイスブック(FB)グループだった。

<PCR検査は偽装。本当はただの風邪><ワクチンを打たせるのが目的>

飛び交う投稿を見て、最初は半信半疑だった。しかし自宅にこもる生活の中、FBは人とつながる数少ない場だった。
「私も認められたい」と思い、真偽不明の情報をネットで見つけて投稿すると、称賛された。いつの間にか、やり取りにのめり込んでいた。

女性は今も、根拠のない説を固く信じる。

「ワクチンは人を操るために作られた」

接種するかどうかは、個人が正確な情報に基づいて判断することが重要だ。
だがSNS上では、明らかに誤った情報でもフォロワー(登録者)の間では「素晴らしい」「拡散します」と同調する反応があふれる。

公的機関の情報に基づいて誤りを正す意見は、ほぼ目に入らない。
閉じた空間で共鳴しているうちに、「普通の人」が先鋭化していく。そんな危うさが垣間見える。

大切な人に接種をやめさせよう――。こう呼びかける投稿は「画像を見せて怖がらせる」と記し、使用を勧める写真を多数載せている。
外国人らしき男女が、重い副反応に苦しんでいるような写真だが、真偽は不明だ。それでもツイッターでは「これで母親を止めました」「説得に成功」などの声が相次いだ。

関西のグループは、接種機会が増えている大学生を狙い、各地の学生マンションを回ってビラを 投函 している。
根拠なく不安をあおる情報や写真を載せており、4万枚以上が配られたという。

九州に住む元教師の女性(70)も、ユーチューブで見た陰謀論に触発され、街頭でビラ配りを始めた。
女性は「本当のことを知らせないといけないんです」と力説した。

コロナを巡る陰謀論の拡散は、世界的に無視できない脅威となっている。各国でワクチンやロックダウン(都市封鎖)に反対するデモが過激化する一因とされ、
オーストラリアのシドニーでは7月、警察との激しい衝突が発生。数十人が逮捕された。


米国ではワクチン接種の妨げになっており、信じていた人が感染し、死亡するケースが相次ぐ。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210909-OYT1T50063/#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3