(出典 kotobank.jp)
大学消滅時代に突入か。私大の3割が定員割れ、4割が”営業赤字” 


1 デビルゾア ★ :2021/01/17(日) 04:48:27.44

文部科学省が発表する「私立学校の経営状況について(概要)」によれば、入学者数の減少が顕著であることが見て取れます。

入学定員に対する入学者数の割合(以下「入学定員充足率」)を見てみましょう。これが100%超となった(つまり、定員割れしていない)大学の割合は、平成8年度の96.2%に対して、昨年(令和元年度)は67.0%へと大幅に低下しています。私立大学の3分の1は定員割れしているのが現状です。

今度は、入学定員充足率のハードルを80%に下げてみます。これは、文科省が入学定員の8割入学を1つの判断基準にしているからです。“定員の8割確保できればよし”ということでしょうか。すると、平成8年度は99.3%とほぼ全校が満たしたのに対して、令和元年度は91.3%に低下しました。

これは、全体の約9%の私立大学で、入学定員に▲20%以上の欠員が生じたことを意味します。

一方で、前述した入学定員充足率(100%、80%超)は、年々徐々に改善しています。昨年度(平成30年度)との比較で見ても、100%超が+3.1ポイント改善(63.9%→67.0%)、80%超が+2.5ポイント改善(88.8%→91.3%)となりました。

ちなみに、入学試験時にリーマンショックの直撃を受けた平成20年度は、100%超が52.9%、80%超が72.7%でしたから、ボトムから見れば直近10年間で大幅な改善を遂げたと言えましょう。

確かに、改善したことは喜ぶべきことです。しかし、その背景には、各校が年を追うごとに定員数を減らしており、また、合格基準のハードルを下げた可能性があることは見逃せません。



次に、私立大学の収支状況を見てみましょう。ここでは、帰属収入(納入学費、寄付金、補助金等)から支出(人件費、教育研究費、減価償却費などほぼ全ての費用)を差し引いた「帰属収支差額」が重要です。これは、一般企業(金融を除く)の“営業利益”に近いものと考えていいでしょう。

この帰属収支差額がマイナスの大学、つまり、運営費用を学費収入等で賄えない大学は、平成4年度の52校(全体に占める割合13.8%)に対して、その25年後の平成29年度は235校(同39.5%)へと増加しています。全体の約4割超が“営業赤字”という状況です。

ここまで論じてきた私立大学の対象は4年制大学です。実は、短期大学になると、さらに厳しい現状を見ることができます。

平成30年度(以下同)に80%超の入学定員充足率を確保している短大は60.6%となっており、短大全体の約4割が▲20%超の定員割れです。また、「帰属収支差額」がマイナスの比率は60.3%に上っており、約6割の短大が“営業赤字”なのです。

実際、今週末の大学入学共通テストの志願者数は、初の3年連続減少となりました(注:大学入試センター試験導入以降のデータに基づく)。この傾向が来年以降も続くなら、仮に、大学側が入試合格ラインをもう一段引き下げても、入学者数がいっそう減少することは不可避と言われています。

そもそも、大学は専門性の高い学問の学び舎であるはずです。大学の経営維持を重視するあまり、大学の質を低下させては本末転倒と言えましょう。文部科学省は、大学の統合促進など、早急な施策を講じる必要があります。いや、実は、もう手遅れの段階にあるのかもしれないのです。

(全文はWebで)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf0b1172ea5a481522c70d9ccb7ff1214b44f7f8