【研究】 オンライン授業は「2倍速で見ても理解度は下がらない」という研究結果


1 朝一から閉店までφ ★ :2022/01/03(月) 15:56:32.71

新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって大学などで「オンライン授業」が定着しました。
オンライン授業のメリットの1つに「録画しやすい」という点がありますが、アメリカで行われた研究によって「オンライン授業の録画を2倍速で見ても理解度は下がらない」という結果が得られました。

この研究は「テスト前に2倍速で再視聴すると、総視聴時間は変わらないが理解度が向上する可能性がある」と結論づけています。

Learning in double time: The effect of lecture video speed on immediate and delayed comprehension - Murphy - - Applied Cognitive Psychology - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/acp.3899

Watching A Lecture Twice At Double Speed Can Benefit Learning Better Than Watching It Once At Normal Speed – Research Digest
https://digest.bps.org.uk/2021/12/21/watching-a-lecture-twice-at-double-speed-can-benefit-learning-better-than-watching-it-once-at-normal-speed/

「オンライン授業は2倍速で見ても理解度は変わらない」という研究結果を新たに発表したのは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のディロン・マーフィー氏ら。
マーフィー氏らは231人の学生を被験者として、YouTubeに存在する不動産鑑定に関する講義とローマ帝国に関する講義を異なる再生速度で見てもらうという実験を行いました。

それぞれの被験者に割り当てられた再生速度は、「通常速度」「1.5倍速」「2倍速」「2.5倍速」の4種で、ムービーはフルスクリーンモードに固定。
一時停止やメモを取ることなどは禁じられました。

それぞれの再生速度で録画を見終えた被験者に対し、マーフィー氏らは理解度を調査するテストを視聴直後と視聴から1週間後に実施。
その結果、「1.5倍速」「2倍速」の2種については「通常速度」と同程度の成績となりましたが、「2.5倍速」の場合のみ成績が悪化することが確認されました。


また、マーフィー氏らは「オンライン講義をを2回視聴する」ことによってテスト結果が変わるかどうかも調べています。

この実験では「1回目は通常速度で視聴したが、再視聴は2倍速」「1回目は2倍速だが、再視聴は通常速度」など1回目と2回目の再生速度の組み合わせを変えたり、2回目の視聴タイミングを「1回目の視聴直後」「テストの直前」に変えたりするなどさまざまな条件を試しましたが、テストの結果の向上につながったのは「テストの直前に再視聴する」という条件のみで、「1回目の視聴直後に再視聴する」「1回目と2回目で再生速度を変える」などは無関係だとわかったとのこと。

また、マーフィー氏らがカリフォルニア大学ロサンゼルス校の学生に対して行ったアンケート調査の結果では、85%もの学生が「通常速度よりも速いスピードでオンライン講義を視聴している」と回答したとのこと。
しかし、このアンケート調査においては91%が「2倍速や2.5倍速よりも通常速度か1.5倍速のほうが学習効果が高いと思う」と回答したため、マーフィー氏らは今回の研究で2倍速で見ても理解度は変わらないという結果が得られたことから「学生は特定の勉強スケジュールやテクニックを好むかもしれないが、その好みが学習成果を向上させない場合もある」とコメントしています。

マーフィー氏らは今回の研究結果について複数の問題点が存在することを断っており、アメリカの大学では10週間前の講義が学期末テストに出ることがあるのに対して、今回の実験におけるテストでは最長で1週間しか間隔を開けなかったという点や、今回の実験ではオンライン授業のテーマに不動産鑑定やローマ帝国など大学の講義としては比較的平易なテーマを取り扱ったという点を指摘し、「より複雑なテーマの場合にはうまくいかない可能性がある」と述べています。

https://gigazine.net/news/20220103-watching-lecture-twice-double-speed-better/